「秀美、お昼ご飯はまだかな」 智造は、大学病院の処置室で付き添いの女性に訊いた。…
カテゴリー: ショートショート
「宇宙の選択」八杉将司
まったくの不意打ちだった。 俺が気持ちよくバーのカウンターでビールを飲んでいた…
「我が死を悼む」片理誠
こんなことに何の意味があるのかは自分でも分からない。でも決めたんだ。どんな手を…
「ミダスの末裔」荒居蘭
「長老」が死んだ――。 仲間から知らせを受けたのは、ちょうど貴重な丸薬を飲みこ…
「不思議な転校生」江坂遊
「マリー・アントワネットの天気予報」佐藤昇
「マリー・アントワネットの天気予報」佐藤昇 《おことわり》 本作は「NW-SF…
「生まれ変わりますか?」八杉将司
「生まれ変わりますか?」 気味悪いほど淡々とした女の声が、自分の耳に響いた。 視…
「六十年タイムマシン」飯野文彦
還暦を迎えた。本来ならお祝いもかねて、甲府の中心で飲み歩きたいところだ。しかし…
「深田亨の3or4(スリー・オア・フォー)・『四季』」深田亨
<春の季語> 【啓蟄(けいちつ)】 ああもうなんで起こしてくれないのよ。 だって…
「夏来にけらし」青木和
「面倒な家」江坂遊
わたしがよく振り向く理由かぁ、それはこんな出来事があったからなのよ。 入口ドアに…
「うちにかえろう」深田亨
マルマルは解離性同一性障害、つまり多重人格と診断されたが、本当はそうではなかっ…
「我が家の味」八杉将司
病気で妻に先立たれてしまった。 風呂場で突然倒れてそのまま帰らぬ人となった。 …
「人体縮小薬」橋本喬木
博士のお手伝いのため、一日中実験の観察を続けていた助手のネギ君。ずっと目を凝ら…
「手つなぎ鉄道心中」江坂 遊
ドアが開いた。ふとこのまま先に行ってみようかと思いたち、降りるのをやめた。 汽…
「紅茶きのこの話」白川小六
弟が生まれる少し前だから、二〇四〇年頃のことだ。第三次紅茶きのこブームというの…
「LIVE」八杉将司
学者が、人工知能である私に自我があると認めた。 それが発表されると世界中で議論…
「(株)頭のネジ買取センター」吉澤亮馬
耳の中がごろごろする。鮭(さけ)原(はら)は頭を傾けて何回か叩いた。 こつん。…
「家族警報」川島怜子
テレビを見ていたら、天井についている警報のアラーム音がなった。家族警報が発令さ…
「不死鳥の巣」江坂遊
ピレウス港の「ならず者酒場」にゼータが顔を出した。 ゼータは腕相撲とウォッカの…
「遺書」天野大空
「遺書」天野 大空 私の命はもう長くありません。だから最後に残された全ての時間…
「エト酒」山本孝一
紺色の暖簾(のれん)に白く染め抜かれた「やぐら」の文字。そこは串カツの専門店。…
「リブート」大梅健太郎
けたたましいアラートが外宇宙探査船の船内に響き渡る。前方レーダーには、超高速で…
「江坂遊の1or2(ワン・オア・ツー)番外」江坂遊
《1行(句点一つ)または2行(句点二つ)に圧縮したショートショート作品》 『脱皮…
「分身」井上史
ドアが開いた。目の前の通路は、スポットライトに照らされたステージへ続いている。…
「深田亨の3оr4(スリー・オア・フォー)・『雨の一週間』」深田亨
「深田亨の3оr4(スリー・オア・フォー)・『雨の一週間』」深田亨 《3行(句点…
誘引
「誘引」片理誠 「そんなこと言っても無駄だぞ」と言い放つと、男は薄っぺらいタクア…
「海野久実の3or4・『それは妻の物語』」海野久実
《3行(句点三つ)また4行(句点四つ)に圧縮したショートショート作品/会話(鍵括…
「夜の夢を見ない」粕谷知世
夜の夢を見ない 粕谷知世 月の明るい夜だった。式場を予約した帰り道、白く輝く月…
「キャッチボール」橋本喬木
「キャッチボール、しようよ」「えっ」「だからさ、いつもみたいにキャッチボールしよ…