ふたつの季節(柳ヶ瀬舞) 「好きです」 山崎が言うと私は目線をそらした。そ…
カテゴリー: ショートショート
「復讐」柳ヶ瀬舞
週末にアルバイトがない日は、新宿二丁目で飲むことが多い。日本屈指の、いやアジア…
「明日が来ない」青木和
誰かに揺り起こされたような気がして目が覚めた。 多分錯覚なんだろう。あたしには…
「いつか朱に染まる日(後)」片理誠
勝ち誇ったかのようないやらしいスカシ目で、もう一人の俺が俺をにらみ付ける。「そ…
「いつか朱に染まる日(前)」片理誠
永遠に終わりそうもないデスクワークを投げ出して立ち上がると、背中が抗議の悲鳴を…
「プリンターの見る夢は」白川小六
プリンター農家の朝は早い。 夜明け前、冷たい朝靄の木立ちを抜けて厩舎に入ると、…
「夢遊覧飛行」江坂遊
チェックインしたばかりの客に、コンシェルジュが声を掛けてきた。「ミスター洋一。…
「リバークラフト」吉澤亮馬
ある時から、従妹のマキ姉は川を身に着けるようになった。 頻繁に会うほど親しくは…
「羽化」染井雪乃
気が進まないものの、楓は実家に顔を出した。空気が冷たいのは冬が近づいているせい…
「シン・中継ステーション」飯野文彦
小学校のとき、私はひとり校庭の隅にある木材を横たえた遊具に坐っていた。すぐ近く…
「黄金の街」粕谷知世
白壁に夕日があたって黄金色に染まっている。 ああ、また、ここに戻ってこれたんだ…
「鳳仙花こわれた」海野久実
私はごく幼い頃から、この世には触れてはいけない物があるのを理解していた。 大…
「終焉」小竹田夏
村外れに住む老いた職人は、家具や小屋など大きさを問わず、木造品の作製と修理を一…
「ordinary contact~よく有る接触」庄司卓
「あの、ちょっとよろしいですか?」 駅前の大手チェーン書店で、毎月購入している…
「代筆猫」川島怜子
平安時代の町。いくつかの店が並んでいる。「代筆を一つお願いします」 貴族の家で…
「違う、妖精じゃない」片理誠
え? 何だってッ! ふと自分の左手に目をやった俺は、そこに信じられないものを見…
「コレカラ紋々」おだっくい
退職して一年後に妻が交通事故に巻き込まれて亡くなった。 ついこの間まで笑いなが…
「百日紅の木」深田亨
夜になっても昼間の暑さが十分残っていた。 坂道をのぼって久しぶりに訪れたレスト…
「スペーストンネル(時空隧道)抜けて」◇第6話◇「宣言書」江坂遊
お邪魔します。こんばんは。 このあたりで今まで起こったことを振り返ってみません…
「スペーストンネル(時空隧道)抜けて」◇第5話◇「嘆願書」江坂遊
お邪魔します。こんばんは。 驚いてばかりです。思わずお月見団子を口から発射してし…
「スペーストンネル(時空隧道)抜けて」◇第4話◇「目論見書」江坂遊
お邪魔します。こんばんは。 もうそろそろお月見団子は飽きられてきた頃かと思いま…
「スペーストンネル(時空隧道)抜けて」◇第3話◇「手配書」江坂遊
お邪魔します。こんばんは。 いつも遅くにお邪魔します。「かまいませんとも」高井…
「スペーストンネル(時空隧道)抜けて」◇第2話◇「意見書」江坂遊
お邪魔します。こんばんは。 研究室同士の連携がこんなにうまくいくとは思ってもみ…
「スペーストンネル(時空隧道)抜けて」◇第1話◇「始末書」江坂遊
お邪魔します。こんばんは。今夜はお月さまがくっきり見えてとても綺麗です。中秋の…
「ロング・スリープ」粕谷知世
湖の底から浮かび上がってくるように、拡散していた意識の焦点が合った。 そうだ、…
「ペルソナ/仮面」飯野文彦
『みっちゃん』 「何、入ってるんですか、これ?」「キュウリだ」「確かにキュウリの…
「転校生」海野久実
うちのクラス、五年三組に転校生が来た。夏休みが終わって、新学期が始まってから三…
「煮干し」白川小六
五時間目は理科。私たち二年三組は今、「生物の体のつくりと働き」の単元を習ってい…
「星」井上史
夜明けの砂浜に、君は横たわっている。ぐったりと脱力して動けない。ああ、これで最…
「ディストピア飯」庄司卓
「よし、A-11023番。検査は終了だ」 反体制活動で捕まった俺は、政府の矯正施…
