おだやかな昼下がり、舞鶴城公園へ足を向けていた。ほんの一週間ほど前までなら、ぜ…
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「透明人間になったらしたいたった一つのこと」青木和
その朝目を覚ますと、俺の左腕が消えていた。 昨夜は確かにあったから、夜の間にそ…
「柘榴石の少女」宮野由梨香
連作:ミネラル・イメージ 柘榴石の少女 …
「木――トルマリンの」大野典宏
連作:ミネラル・イメージ 「木――トルマリンの」大野典宏 ヒトシの夢に何かと出…
「星明かりの森」粕谷知世
一、ふきぬけの空 夏の朝、公園でのラジオ体操を終えて、タカシは家に帰ると…
A Catroid Story Side B ミィにおかえり」伊野隆之
母の猫が死んだ。交通事故だった。高齢になって、滅多に庭から出ることもなく、それ…
「A Catroid story Side A さよならアレス」伊野隆之
田口洋子のところの猫が、また駄目だったようだ。ネットワークを経由したステイタス…
「いきちみっけ」吉澤亮馬
吸血鬼に噛まれるのもぼちぼち慣れたな、と思いながら、スマホをいじっていた。「す…
「最初の筏の最初の人々」アルカジイ&ボリス・ストルガツキー(大野典宏訳)
最初の筏の最初の人々――バイキング アルカジイ&ボリス・ストルガツキイ 大野典宏…
「瑪瑙の記憶」大野典宏
連作:ミネラル・イメージ 瑪瑙の記録 大野典宏 ■ナビゲーター 本日ご覧に入れ…
「蚊帳の外」飯野文彦
目を覚ますと、カーテンの外は暗く、豆球の光が、室内、薄ぼんやりと橙色に沈めてい…
「鳥か葡萄、あるいは炎」片理誠
気がつくとタクシーを降りていた。いったいどうやって下車したのか、まったく覚えて…
「コンビニ」白川小六
誰でも知ってるコンビニチェーンだ。よっぽどの田舎を除けば、日本中どこにでもある…
「メンテおじさんUtopiaに行く」忍澤勉
「今日という今日は、珈琲ぐらい飲んでいってもらうわ」 居酒屋の店先で女主人のバッ…
「なくして初めて分かる事」粕谷知世
書けないのが哀しいのか、もう書かなくていいことにほっとしているのか、それさえ、よ…
「潜入捜査」橋本喬木
「潜入捜査」橋本喬木(たかき) 「面倒をみている情報屋から、いいネタが入ったぞ」…
「アストロノート」深田亨
地方都市のデパートの屋上遊園地に、そのアトラクションはあった。大人一人で満員に…
「Utopiaの海辺にて」忍澤勉
Utopiaの海辺にて 男の両肩には父親の手が置かれていた。温かさが分厚いジャケ…
「砂漠のバラ」大野典宏
連作「ミネラル・イメージ」(4) 「砂漠のバラ」 大野典宏 急いで来たのは、と…
「お母さん指」江坂遊
はい。反省しています。嘘じゃないです。 そうですね。どうしてやったのかと訊かれ…
「蒼き翡翠の泉」宮野由梨香
「蒼き翡翠の泉」宮野由梨香 連作「ミネラル・イメージ」(3) 注:本作品は柳ヶ…
「月香」吉澤亮馬
半年前に失踪した御柳風子(みやなぎふうこ)からは月の匂いがした。月の綺麗な夜だ…
「騎士」澤井繁男
連れ合いを早くに亡くした父は、私たち夫婦とともに一五階建てのマンションの最上階…
「ある女性カウンセラーの面接記録 ケース:53091」大野典宏
連作「ミネラル・イメージ」(2) 注:本作品は柳ヶ瀬舞「翡翠の川」をイマジネーシ…
「甲府物語」飯野文彦
〈2022年3月9日フェイスブックより・一人で子守する晩に考えること。どんな生活…
「お告げ猫」川島怜子
ある村に神さまのお使いの猫がいました。 とても綺麗な三毛の模様なので、村人から…
「副作用」井上史
1. 鈴木博士は画期的な発明を完成させた。それも、誰でも頭のよくなる可能性のあ…
「わが夢見るは遥かなる大地」健部伸明
健部伸明(たけるべ・のぶあき)一九六六年、青森県生まれ、中央大学文学部中退。一九…
「白い島」江坂遊
「上品な味」深田亨
ずいぶん昔のいつのころか、都から遠く離れた山深い村に、得も言われぬほど高貴で上…