「『FT新聞』&『SF Prologue Wave』コラボレーション企画のご紹介 その2」岡和田晃

「『FT新聞』&『SF Prologue Wave』コラボレーション企画のご紹介 その2」岡和田晃

 ゲームブックの専門出版社であるFT書房(https://ftbooks.xyz/)の日刊メールマガジン「FT新聞」(https://ftbooks.xyz/ftshinbun)と、SF Prologue Waveのコラボ企画は、2023年に入っても好調に継続しています。今回は第4回~第6回の配信記事をご紹介いたします。再読の一助としていただけますようお願いします(以下の「はじめに」の文責はすべて岡和田晃です)。

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「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.4 (FT新聞 No.3655、2023年1月26日)

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●はじめに

 2023年になりましたが、おかげさまで「SF Prologue Wave」と「FT新聞のコラボレーション企画も好評をいただいており、月1くらいのペースで続けていければと考えております。
 これまでのコラボレーション企画は、「SF Prologue Wave」の方にも採録しましたので(https://sfwj.fanbox.cc/posts/5104199)まだの方はぜひチェックをお願いします。
 Vol.3に引き続き、今回もFT新聞でお馴染み、齊藤(羽生)飛鳥さんによる、ポストヒューマンSF-RPG『エクリプス・フェイズ』のソロアドベンチャー・リプレイです。
 同作をご存知ない方でも単体でプレイでき、かつリプレイも問題なく読めるでしょう。
 今回、舞台となる金星は、空中都市(エアロスタット)で暮らすセレブリティと、過酷な環境のなかでキツイ労働を余儀なくされる石英義体(クォーツ・モーフ)を着装した労働者たちが対比的な環境です。
 義体(モーフ)の乗り換え(再着装(リスリーヴ)といいます)も特徴的なストーリーで、そのあたりの扱いにもご注目ください。

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「『鈍腕センティネルは今日も断崖絶壁』――『エクリプス・フェイズ』ソロアドベンチャー「哀しみのオルガスマシン」リプレイ小説」

初出:
「SF Prologue Wave」
https://prologuewave.club/archives/9164

■書誌情報

『エクリプス・フェイズ』1人用“超”入門ミッション「哀しみのオルガスマシン」(「Role&Roll」Vol.200所収)
 著:岡和田晃
 監修:朱鷺田祐介、待兼音二郎
 発売:新紀元社
 2021/05/25 – ¥2,200

Ecllipse Phase は、Posthuman Studios LLC の登録商標です。
本作品はクリエイティブ・コモンズ
『表示 ? 非営利 ? 継承 3.0 Unported』
ライセンスのもとに作成されています。
ライセンスの詳細については、以下をご覧下さい。
http://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/3.0/

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「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.5(FT新聞 No.3683、2023年2月23日)

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●はじめに

 ネットマガジン「SF Prologue Wave」と「FT新聞」のコラボ企画の第3~4回では、齊藤(羽生)飛鳥さんによる『エクリプス・フェイズ』のリプレイ小説をお届けしました。
 今回と次回は趣向を変えて、また違った味わいのシェアードワールドをご紹介します。
 題して「Utopia」。もともとは私が大学で主宰したRPGを活用したワークショップより生れた作品ですが、特定のシステムに依存はしておらず、寓喩を駆使した伸びやかなサイエンス・ファンタジーとなっております。
 出発点となる本作は、詩人の川嶋侑希さんの手になるもの。第1~2回でご紹介した、伊野隆之さんが補作に入ってますが、共作のプロセスを経て、伊野さんは「Utopiaの影」というシェアードワールド小説の執筆に至りました。シリーズには、その他、忍澤勉さんの「<情報街>のメンテおじさん」があります。
 本作には驚くべきことに、川嶋侑希さんの作詞・作曲になるオリジナル楽曲が、各章ごとに添えられております。今回は「最果てに夕暮れ」、「暗星」の2曲を、あわせてお愉しみください。

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オリジナル小説「Utopia」(前編)
 川嶋侑希

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初出:
「SF Prologue Wave」
https://prologuewave.club/archives/8561
https://prologuewave.club/archives/8656

【プロフィール】
川嶋侑希(かわしま・ゆき)
詩人。小説の創作や音楽活動も手掛ける。
2018年、共愛学園前橋国際大学在学中に、本作のプロトタイプ「Utopia」にて「SF Prologue Wave」でデビュー。
2020年より詩誌「フラジャイル」に参画、現代詩を寄稿。
2021年より、「SF Prologue Wave」編集部に加入。小説、書評を執筆。
その他、「図書新聞」2023年2月25日号に、「黙殺された絶望――蜷川泰司『絶滅危惧種』書評」を寄稿。

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「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.6(FT新聞 No.3711、2023年3月23日)

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●はじめに

 前回に引き続き、新しいタイプのシェアードワールド、そちらの基盤にあたる作品の川嶋侑希「Utopia」、後編をお届けします。

 あーるじぇい@owljeyさんが、前編につき「ある夢をかなえるため<情報街>に足を踏み入れた<妖精>の物語。でも星間宇宙船もラジオもある世界、徐々に降りてくるキーワードでイメージを組み立てよう」と語っておいででしたが、まさしく正鵠を射ています。

 ファンタジーにおいては、詩人のサミュエル・テイラー・コールリッジの言う、世界に入り込むための「不信の自発的停止」の功罪がしばしば問われますが、それだけではありません。
 ファンタジーは現実とは別個の論理で現実を逆照射する、いわば寓喩(アレゴリー)の集合体でもあり、ここにおいて小説と詩、文学と音楽の境界は消滅します。作り込んだ設定を共有してすり合わせていくというよりも、本作ではイメージを別個の角度から照らし出すことが目論まれています。
 伊野隆之さんの「Utopiaの影」は、まさに本作のアザー・サイドという趣ですし、忍澤勉さんの「<情報街>のメンテおじさん」も、そう解釈できます。

 後編にも、川嶋侑希さんの作詞・作曲になるオリジナル楽曲が、各章ごとに添えられております。今回は「Journey」、「Utopia」の2曲となります。

 前編の音楽では、葉山海月さんから「暗星」をご評価いただきました。伝え聞くところでは、プロの音楽家の方からも好評をいただいたそうです。この場を借りて、「SF Prologue Wave」編集部一同、厚く御礼申し上げます。引き続き、お愉しみください。

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オリジナル小説「Utopia」(後編)
 川嶋侑希

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初出:
「SF Prologue Wave」
https://prologuewave.club/archives/8721
https://prologuewave.club/archives/8810