
「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 のご紹介 その12」岡和田晃
ゲームブックの専門出版社であるFT書房(https://ftbooks.xyz/)の日刊メールマガジン「FT新聞」(https://ftbooks.xyz/ftshinbun)では、新たな読者と出逢い、作品の良さを別角度からも発見してもらうため、「SF Prologue Wave」との共同企画を推進しています。すでに発表された作品を、改めてピックアップし、岡和田晃の解説を添えて再提示するというものです
今回はVol.29~32および番外編5で配信された、市川大賀さんの仕事をご紹介するものです。初出のリンクを辿り、再読の一助としていただけますようお願いします(以下の「はじめに」の文責はすべて岡和田によります)。
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「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.29(「FT新聞」No.4467、2025年4月16日)
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●はじめに
時代を元号で区切るのはナンセンスですし、そもそも元号というのは天皇制と密接に関わっているという意味で、なかなかに厄介な問題を孕みます。
とはいえ、「昭和」の感覚、という言葉がピッタリと嵌まる事例があるのは確かでしょう。すべてが無機質、冷笑的でうわべだけの「正しさ」に汲々としている、そのような「令和」の感覚とは真逆のアツさ、アナログな感覚があった時代であります。
仮面ライダーがわかりやすいかもしれません。「昭和」と「平成」が、もうまったく異なりますよね。
怪獣映画、少年漫画、古き良き「昭和」の泥臭さを湛えた逸品、「光の国と魔法とおじさんと」を分割掲載していきます。もはやフィクションのなかで回想するしかないのか? そんな問いにも答えてくれるかもしれません。
まずは作品から読んでみてください。
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オリジナル小説「光の国と魔法とおじさんと 」(1)
市川大賀
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手品のおじさんのところへ行こう。
シンイチは学校から帰る途中、あざやかな色合いのコンビニのわきを通りながら決意した。
シンイチが3年生になった今年の春から、近くを流れる大きな川沿いに現れるようになった。子どもたちに人気のおじさんだった。
最初にそのおじさんに気づいたのは、入学のときからの友だちのショウゾウだった。
川原でサッカーをしていたときのことだ。そのおじさんに気付いたのだ。
「おじさん、ほーむれすっていう人?」
ショウゾウがそうたずねると、おじさんはこまったように笑ってみせた。
確かに川原に座ってぼんやり空をながめているおじさんには、自分のパパにある、どこかいつもいそがしそうにしているふんいきがないなと、シンイチは思った。
しかし、シンイチは以前、ママといっしょに大きな駅で本物のホームレスを見たことがあった。
そういう人たちとも違う、シンイチはなんとなく思った。
「どこから来たの」
「ここで何をしているの」
サッカーをやっていた仲間はみんな集まってきて、口々に質問をおじさんにあびせた。
「わかった、わかった」
おじさんはそう言いながら立ち上がり、シンイチたちに向けて手を伸ばした。
握手をするように差し出されたその手は、ゆっくりとにぎりしめられ、そして、やがてひろげられたその手からは、けむりのように紫の光が立ちあがった。
「うわぁ」
子どもたちは静かに声をあげ、息をのんでその光を見守った。
紫の光は淡くかがやきながら、おじさんの頭の上くらいまでのぼり、弱く消えていった。
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市川大賀(いちかわ・たいが)
1966年生れ。少年時代からSFをこよなく愛し、1980年には同人誌「ざ・にゅうたいぷ」で円谷プロと新井素子さんのロングインタビューを行った。本名で監督した自主映画『異端者探偵局』(1985年)には新井素子さんも出演。
大学在学中から東映・松竹を中心に映画やドラマの助監督・制作進行の仕事に多数関わり、「宇宙船」1986年12月号掲載『ア・ホーマンス』(狩撫麻礼原作、松田優作監督)紹介記事を皮切りに、プロとしてのライター活動も開始。『このゲームがすごい! プレイステーション編』(宝島社、1997年)に〈スーパーロボット大戦〉論(「スパロボマスター」名義)、平井和正『ウルフガイ・イン・ソドム』(ハルキ文庫、2000年)の解説(本名)を担当するなどした。
近年は舞台の企画・脚本やウェブサイトの構成、増井公二監督の映画『ロリさつ』(2016年)のプロジェクト・コーディネーターをつとめた。著書に、評論集『スマホ・SNS時代の多事争論 令和日本のゆくえ』(日本地域社会研究所、2020年)、伝奇小説『折口裕一郎教授の怪異譚 葛城山 紀伊』(ネクパブ、2022年)。
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「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.30(「FT新聞」No.4481、2025年4月30日)
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●はじめに
児童文学には、他のジャンルよりも想定読者の年齢層が狭く、かつ、子どもに伝わる言葉で書かなければ読んでもらえない、という大きな制約があります。かといって、子どもだからと舐めてかかっては、明敏な子どもたちはすぐにそのことを見抜いてしまうでしょう。闇雲に子ども扱いされることほど、子どもたちが嫌うものもそうはありません。
市川大賀さんの「光の国と魔法とおじさんと」の第2話においては、種も仕掛けもある手品師に思えた「おじさん」の正体が明かされます。いきなりすぎやしないかって? いや、読んでいただければ、その理由がわかります。世間の塵芥に汚れ、子どもが大人になると失われてしまうもの、あるいは忘れてしまうもの……。あたたかく繊細な筆致で、そこを掬い上げる作家の技倆をご堪能ください。
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オリジナル小説「光の国と魔法とおじさんと」(2)
市川大賀
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「ねぇ、おじさん」
シンイチは、おじさんの横に座って話しかけた。
「おじさんはどこから来たの? どこに住んでいるの? みんな気にしてるよ」
「うーん」おじさんはしばらくうなった。「遠いところから来たんだよとしか言いようがないかなぁ。うまく説明できないな。きっとシンイチ君には、言ってもわからないと思うんだ」
「じゃあなんで、いつもここにいるの?」
聞きたくてたまらない一方で、見知らぬ大人と二人きりの状況では、質問しかできない自分がもどかしかった。
そんなシンイチの心情を察してか、おじさんは笑顔で川面を見つめながら口を開いた。
「かんたんには説明できないんだけどね。ぼくは、とても大事な人と旅をしていたんだ。そうだなぁ、シンイチ君のパパにとっての、ママみたいな人かな。その旅の途中でここに立ち寄ったんだよ」
「その人は今どうしてるの?」
「死んじゃったんだ。ここでね。嵐の夜に」
「どうして!? おじさんはすごい力をいっぱい持っているじゃないか。どうしてその力で、助けてあげなかったの?」
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「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.3(「FT新聞」No.4495、2025年5月14日)
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●はじめに(岡和田晃)
勇気とはいったい何でしょうか。まったく何も関係するところのない他者のために、無償の善意を発揮することは、勇気の発露のひとつのあり方であろうと思います。
バットマンにせよ、ウルトラマンにせよ、アンパンマンにしろ、ヒーローには必ず、そういった性格があります。ヒロインであっても変わりません。ワンダーウーマンやエスパー魔美でも、そういった主題は扱われていました。
ポピュリストの台頭により格差は開く一方、生活保護受給者や野宿者へのバッシングも苛烈をきわめる状況で、人と人との間にあった暖かさは急速に失われ、連帯を培うはずのSNSでは、インフルエンサーの「犬笛」によって人が死に追いやられるのが恒常化しています。
そんな状況からすると、今回の分割掲載第3回が身にしみますね。
大伴昌司や竹内博らの怪獣図鑑や大百科に夢中になった方も、そうではない方も、お愉しみください。
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オリジナル小説「光の国と魔法とおじさんと」(3)
市川大賀
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川の向こう岸。
幅広の川なので、服の色と背たけぐらいしか見えない距離のむこうがわで、おじさんは一人のホームレスを見つけた。
ホームレスは、よごれまくったコートを着込んだまま、川原でうずくまって転がっている。
次のしゅんかん、おじさんはそのホームレスのそばまで移動していた。
ホームレスはよっぱらってころがっているので、おじさんのしゅんかん移動には気づいていない。
「どうしたんですか」
おじさんがしゃがみながらそうたずねると、ホームレスはうすく目をあけておじさんを見上げた。
「あんた、誰だ。ここらへんじゃみかけない顔だね」
ちょっとあやしむように、ちょっと興味ぶかく、ホームレスはおじさんを見つめつづけた。
「最近、ここに来たんです。そしたらあなたを見かけた。春先になったとはいえ、まだまだ夜は冷えるのに、そんなままで寝ていると病気をこじらせますよ」
その言葉をきいたホームレスは、少しよいがさめたような顔になった。
「あんた、どうしておれの病気のことを?」
もちろんおじさんは魔法でホームレスの病気を感じとったのだが、本当のことを知られてはまずいおじさんは「医学の仕事を昔していましたから」とウソをついた。
「そうかい……。わかっちゃうもんなんだなぁ」ホームレスは苦笑した。「肝臓だよ。もう酒でパンクしてるんだ。体がうまく動かなくなって、仕事がまんぞくにできなくなってから、もう5年もたっちまった」
ホームレスは、さっきまでのおじさんのように、ゆっくり空を見上げた。
「若いときはいきがってたけどよ。年とってこうなっちまうと弱気になってなぁ。本当は、遠いいなかに女房と子どもがいるんだよ。もう10年も会っていない」
ホームレスは、少し鼻をすすってひとりごとのように話し続けた。
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「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.32(「FT新聞」No.4509、2025年5月28日)
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●はじめに(岡和田晃)
大好評の「光の国と魔法とおじさんと」の配信も今回で完結となります。読者の方々からの感想、例えばあーるじぇいさんに「余韻の残る物語」、紫雲ねこさんに「「時と共に失われる純粋さ」をテーマに幕が閉じるかと思いきや、まだ先がある!? 物語の続きが気になりますっ……!」、かなでひびき氏に「読まなければ一生後悔することウケアイ!」、葉山海月氏に「カネを払っても読むべき作品」と評していただいたことは、作者である市川大賀さんにも大きな勇気を与えたようです。
なぜかといえば、市川さん御本人は、2024年にインフルエンザ脳症で意識不明になり、植物人間になりかけ、今も入院して闘病・リハビリを続けておいでという状態だからです。連絡が取れなくなったとき、お見舞いに行ったのですが、ろくに会話もできなかったそのときに比べると、だいぶ恢復していらっしゃいます。
かつて市川さんが大病で入院していたとき、尊敬する平井和正氏がお見舞いに訪れ、「やあ、僕の大ファンのウルフガイが、いま死の淵に立っていると聞きやってきました。ウルフガイなら不死身のはずです。死んではなりません。あなたはこの病気を乗り越えてください。そうしたら一緒に仕事をしましょう」と励ましてくれたそう。その甲斐もあって、見事な復活を遂げました。今回もまた、きっと苦境を乗り切ってくれるに違いありません。
ウェブ上には市川さんの名を冠した膨大なテキストがありますが、活字ですと、『このゲームがすごい! プレイステーション編』(宝島社、1997年)には〈スーパーロボット大戦〉論(「スパロボマスター」名義)、平井和正『ウルフガイ・イン・ソドム』(ハルキ文庫、2000年)の解説(本名)あたりが代表的な仕事になりますでしょうか。近年出版された2冊の単著、『スマホ・SNS時代の多事争論 令和日本のゆくえ』(日本地域社会研究所、2020年)、 『折口裕一郎教授の怪異譚 葛城山 紀伊』(ネクパブ、2022年)では、書き手としてのまた違った顔も見えてきます。チェックしてみてください。
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オリジナル小説「光の国と魔法とおじさんと」(4)
市川大賀
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あくる日。
おじさんはまる一日、夜が来るまでゆっくりと体をやすめていた。
目覚めると、少し元気が回復していた。
おじさんは、この夜に光の国に帰ると昨夜から決めていた。
同じことばかりだ。
あの光の国でも、この地球でも、同じことばかりがくり返される。
だとしたら、自分は自分が生まれ育ったあの光の国にかえろう。
あの、自分の一生で一番大切だった人と夢をもち、めざしたこの星は、決して夢見たような星ではなかったことがわかったのだ。
ならば帰ろう。
あの人の思い出を、この星に永遠に残して、光の国へ帰ろう。
おじさんの心には、くやしさも悲しさも、すべてなくなっていた。
体がすこしずつ動きはじめていた。
ちゃんと動くようになったら、光の国へ帰る儀式をはじめよう。
そう思っておじさんは、ゆっくりと星空をながめ続けた。
この星へ来ることは、ずっとずっと夢だった。
たった一人愛したあの人と、地球という星へ行ってみよう。
そう夢見て必死にがんばった。
だけど、それもこれも、きっとはかない夢でしかなかったのだ。
この星に来て、たった一人の人を失ったとき、おじさんは果てしないこどくにつつまれた。
自分がここに存在していることを、誰も知らない、誰も気づかない。
その果てしない孤独の時間が永遠に続いていたので、おじさんは、光の国へかえる力とひきかえに、自分の命とひきかえに、この星のひとたちに、この星の子どもたちに、自分がここにいたのだと、覚えてもらう道を選んだのだった。
しかし。
結果は、やはり孤独のままだった。
おじさんは、この星で選んだ道が全部まちがいだったのだろうかと思っていた。
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「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 番外編(5)(「FT新聞」 No.4517、2025年6月5日)
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●はじめに
「FT新聞」No.4467およびNo.4509の「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画のVol.32で、市川大賀さんの業績を紹介した際、『このゲームがすごい! プレイステーション編』(宝島社、1997年)に〈スーパーロボット大戦〉論を書いたという旨をご紹介しましたが、いささか粗雑なまとめでした。
病床の市川さんからお叱りを受けたわけではないのですが、葉山海月さんから水波流編集長経由で、「市川大賀先生、〈スーパーロボット大戦〉論(「スパロボマスター」名義)の方だったとは!拝読しましたよ! 面白い記事をありがとうございます! お体どうぞご自愛ください、とお伝えください。」とのメッセージをいただきました(ありがとうございます。当人には伝えてお喜びでした)、この機会にあらためて『別冊宝島』関係での市川さんのゲームライティングを整理したところ、以下のような形になりました。
当人にご許諾をいただき、市川さんに著作権のある記事の現物を3本、この場でご紹介させていただければと存じます。お愉しみください!
●市川大賀さんのゲームライティング
・『別冊宝島315 このゲームがすごい! プレイステーション編』(宝島社、1997年)
「声優総出演。ロボットたちの魂を聞け!」(本名)、2頁。※他の寄稿者は稲葉振一郎、松尾スズキ、我孫子武丸ら各氏。
市川大賀さんコメント「僕は「あえて狙って」PSがメインルートではないシリーズ作品『スーパーロボット大戦』(略してスパロボ)の『新』をチョイス。とりあえず「原作アニメの声優が総登場してるから凄いんだ」という、冷静に考えたら「まったくゲームは褒めてない一押しレビュー」を書くという快挙を成し遂げました。しかも別冊宝島で(笑)」
↓記事の現物はこちらから!
https://www.ichikawataiga.com/wp-content/uploads/2021/08/%E5%A4%89%E6%8F%9B-%EF%BD%9E-scan-315-002-scaled.jpg
・『別冊宝島359 このゲームがすごい! 任天堂編』(宝島社、1998年)
「これが『スーパーロボット大戦』シリーズの全貌だ!」(全日本スパロボマスター名義、※目次には本名あり)、4頁。他の寄稿者は石川浩司、平山夢明、スタパ斉藤ら各氏。
概要:「スパロボシリーズには様々なゲームが乱立しているので、それを解説する図解も必要でしょう。今大人気のこのゲームの、敷居が高いと思い込んで入れないライトユーザーに、見事にそのゲートをくぐらせる文章を、書いてください!」という編集者からの無茶振りに答えた記事。
↓記事の現物はこちらから!
https://www.ichikawataiga.com/wp-content/uploads/2021/08/%E5%A4%89%E6%8F%9B-%EF%BD%9E-scan-359-002-scaled.jpg

・『別冊宝島366このゲームがすごい!’98 プレイステーション編』(宝島社、1998年)
「このビデオを見ろ! プレイステーション編」(本名)、8頁。※他の記事はピエール瀧インタビューほか。
市川大賀さんコメント「『ポリスノーツ』『メタルギアソリッド』等のゲームを産んだ小島秀夫監督と『バイオハザード』シリーズ。洋画のSFとアクションジャンルへのオマージュをガンガン自作ゲームに積み上げる方程式でゲームを作っていた時代の小島監督と、とにかくゾンビエンタメの基礎の基本の、ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ映画を始めとした、特殊メイクホラー映画へのオマージュで溢れていた『バイオハザード』の両雄を取り上げて(他も取り上げ始めると、ガチで8ぺージごときではおさまりがつかなくなるので)、徹底的にその二者の作品の中にある「元ネタ映画」を、紹介していこうという企画をぶち上げました。」
↓記事の現物はこちらから
https://www.ichikawataiga.com/wp-content/uploads/2022/01/%E5%A4%89%E6%8F%9B-%EF%BD%9E-scan-366-002-1.jpg



(「FT新聞」編集部註)
このタイミングで市川大賀さんよりお便りを頂きましたので、こちらに掲載いたします。
また今回ご紹介したものを含め、市川さんの歴代コンテンツは下記でもご覧頂けます。
市川大賀公式サイト:https://ichikawataiga.com
FT新聞の読者の皆様、SF作家の市川大賀です。改めて初めまして。
この度は、僕の短編児童小説『光の国と僕とおじさんと』をお読みいただき、大変ありがとうございました。
今回は、皆様への御礼も兼ねてこの作品のなれそめなどを書き記したいと思います。
僕は今から20年以上前に、『ウルトラマン』(1966年)を始めとしたウルトラシリーズのブログ『光の国から愛をこめて』をアメブロで始めていました。そこではウルトラマンのアクションフィギュアや怪獣ソフビを使って撮影した「再現特撮」と、徹底した評論がセットになっていることが売りで、連載ピーク時には僕は10万PVを稼ぐアルファブロガーになっていました。子ども達には再現特撮で「玩具ごっこ」の楽しみを、かつて子どもだった大人ファンには鋭い切り口でウルトラシリーズの新たなる魅力の発信を、それぞれ与えたいという僕の目論見は大当たりでしたが、あまりにも読者層が増えすぎた結果、ウルトラマンを親子で楽しむ「ウルトラパパ」「ウルトラママ」がコメント欄に急増。コメント欄でウルトラパパがウルトラママにナンパをして、そのトラブルが炎上し、僕はブログ運営を辞めざるを得なくなった経緯がありました。
『光の国と僕とおじさんと』は、原タイトル『僕とおじさん』として、2010年7月に、ブログ最終回として掲載したものです。当時まだ、愛妻を亡くしたばかりの僕にとっては、この作品は寓話であり童話であると同時に、偽らざる当時の僕の心象風景のクロッキーでもありました。そしてこの作品は「ウルトラシリーズに携わった多々の作家たちにとってウルトラマンとはどういう存在だったのか」という問いかけと共に、初期ウルトラシリーズに関わった名脚本家の皆さん、金城哲夫、佐々木守、上原正三(ショウゾウ!)、市川森一(シンイチ!)諸兄への、リスペクトを籠めた、僕の『真・ウルトラマン』でもありました。それが今回、岡和田晃氏の尽力で、FT新聞に転載されることになり、大変なご好評を頂きました。
あーるじぇいさんには、連載当初から毎週感想を呟いて頂けました。大変感謝をしております。紫雲ねこさんからは、この作品の「時と共に失われる純粋さ」をテーマとして読み解いて頂きました。かなでひびきさんからも「読まなければ、一生後悔することウケアイ!」との嬉しいお言葉をいただきました。葉山海月さんからは「カネを払ってでも読むべき作品と、商業作家としては最大の賛辞を頂きました。2000年代に、僕のブログを子ども時代に喜んでくださっていた幾人かのファンの方々は、立派に大人になって家庭を持ち、「ウルトラマンから受け取ったもの」を大切にして今を生きられております。そこには幾分かの、僕がブログの最後に明け渡した「小粒のようになってしまった光る石」が、まだ息づいてると思いたいです。長くなりましたが、FT新聞の読者様たちも、お読みくださってありがとうございました。『光の国から愛をこめて』は、今も私の公式サイトで随時不定期連載中です( https://ichikawataiga.com/category/ultraman/ )どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。
市川大賀
