「月刊アナログゲーム情報誌「Role & Roll」Vol.132掲載「エクリプス・フェイズ リプレイ 地球降下作戦6:幻のゲート」

文:朱鷺田祐介 協力:『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム

 岡和田晃

 「Role & Roll」(アークライト/新紀元社)は、会話型ロールプレイングゲーム(テーブルトークRPG、TRPG)や、ボードゲーム、カードゲーム等のアナログゲーム(電源を使わないゲーム)を扱う月刊総合情報誌です(2003年創刊)。毎号、プロとして活躍中のゲームデザイナーやライターにより、様々なゲームの紹介やサポートがなされています。ここには『エクリプス・フェイズ』のサポート記事が好評連載されています。
 今号のVol.132は「特集『シャドウラン 5th Edition』第六世界、変革の時」! 『シャドウラン』は『エクリプス・フェイズ』の姉妹編ともいうべきサイバーパンクRPGですから、『エクリプス・フェイズ』ファンにとっても注目すべき内容となっています。

 さて「Role&Roll」Vol.120~126までは、『エクリプス・フェイズ』のルールシステムを紹介した「センティネル・オペレーション・ガイド」が掲載されていました。ゲームとしての『エクリプス・フェイズ』のルールを本格的に解説していく連載で、キャラクター作成から戦闘、メッシュ等の世界観、さらには超能力まで、幅広い紹介がなされました。
 Vol.127からはリプレイ「地球降下作戦」の連載が始まりました。「Role&Roll」Vol.88~90に掲載されたリプレイ「金星の人狼」、およびVol.107~109に掲載された「月の熾天使~マーズ・サイクラーの帰還」とプレイヤー・キャラクターは共通しているものの、解説が行き届いており、未読でも本シリーズから読み進められるようになっていますので、どうぞご安心ください。

 第1リプレイ・シリーズ「金星の人狼」は、金星の空中都市(エアロスタット)での殺人事件の謎を解くというお話で、アクションを楽しみながら、『エクリプス・フェイズ』世界の仕組みを知ることができました。第2リプレイ・シリーズ「月の熾天使」は、月のドーム都市エラトーでのバイオ・テロに絡んだ冒険で、分岐体(フォーク)と、アイデンティティをめぐる重層的なストーリーを楽しむことができました。
 「地球降下作戦」の第1回「リメンブランスの邂逅」では、パンドラ・ゲート(ワームホール)を通って太陽系外惑星へ向かったタイタンの探検家、アルビンの死がキーとなっていました。
 第2回では、そんなアルビンが死の間際にアップロードした映像から、そこがパンドラ・ゲートが存在しないはずの地球だと判明したことがわかります。
 第3回では、異星人(エイリアン)の秘密を知っている男、ジョージ・アダム・スミスを救出するために地球降下作戦が計画されており、その背景には、伝説と思われていた地球(のパンドラ)ゲートの存在があったことが判明します。 そして、いよいよセンティネルたちは作戦へ投入されたわけですが、第4回「奇妙な花と陰謀と」では、マンハッタンに降り立った地球降下作戦の部隊に紛れ込んだセンティネルの面々は、ティターンズの戦闘機械の襲撃をくぐり抜け、劉大人の家にまでたどり着きます。なんとそこは、「アメリカに入植した中国人がよく経営している洗濯屋」でした……。
 第5回では、ストーリーもいよいよ山場を迎えました。アルビンのオリジナルとアルファ1・フォークとの対話から始まり、劉ランドリーの近くにある地下跡地でのヘッドハンターとの壮絶な戦闘! 『Sunward』に登場するリキッドシルバー義体もアツい内容でした。

 そして、第6回は、いよいよ最終回となります。マンハッタンに降り立ったセンティネルの面々。彼らの前に立ちはだかるのは、謎の組織です。ここでは「オズマ計画」なる20世紀の太陽系外知性体探査計画が話に絡んでくることが明かされます。そして、一行が出逢ったものは……。壮絶な最終戦闘と続くエンディング、ぜひご覧ください。

 全体の構成は「地の底深く」、「オズマの影」、「語るべき言葉」、「闇に潜む者」、「軌道への帰還」、「エンディング:闇の門」となっています(ほか、「オズマの影」に「エクリプス・フェイズ」)。

 「Role&Roll」Vol.100に掲載された「『エクリプス・フェイズ』エントリー・ミッション05 地球降下」も、一緒に読むと、いっそう楽しめます。
 
 また、本作は図らずしも、「SF Prologue Wave」に掲載された礒部剛喜「ゾガネスの末裔」ともリンクする内容になっています。『エクリプス・フェイズ』にUFOを取り入れる参考にもなると思いますので、ぜひ。

 「SF Prologue Wave」の小説を読んだら、ぜひ、実際に『エクリプス・フェイズ』世界に飛び込んでみましょう!
 きっと、あなたのクリエイティヴィティが、さらに刺激されること、間違いありません。


※本シナリオにおいては、ロールプレイングゲームそのものの基本的な考え方については説明がなされていません。お手数ですが各種入門書やWebサイト等をご覧のうえ、ご参照いただけましたら幸いです。
 9月4日から6日まで開催される「ジャパンゲームコンベンション2015」の宿泊参加者向けイベント「R-CON」内で、プロのゲームマスターによる『エクリプス・フェイズ』を遊ぶイベントが開催されました(http://www.arclight.co.jp/jgc/index.php)。ご来場いただき、本当にありがとうございました。

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