「月刊アナログゲーム情報誌「Role & Roll」Vol.118掲載「センティネルのための(『エクリプス・フェイズ』)ワールド・ガイド『宇宙の歩き方』」(第8回)

文:朱鷺田祐介 協力:『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム

 岡和田晃

 「Role & Roll」(アークライト/新紀元社)は、会話型ロールプレイングゲーム(テーブルトークRPG、TRPG)やボードゲームの記事等アナログゲーム(電源を使わないゲーム)の月刊総合情報誌です。毎号、プロとして活躍中のゲームデザイナーやライターにより、様々なゲームが紹介、サポートがなされています。
 「Role & Roll」Vol.110からは、『エクリプス・フェイズ』の世界観を紹介した「センティネルのためのワールド・ガイド『宇宙の歩き方』」が連載されています。今号Vol.118に載っているのは、その第8回となります。土星の彼方、外惑星へと向かいます。天王星、海王星、そして、トランスネプチューンの辺境惑星を解説いたします。

 「Role&Roll」Vol.106までは「エントリー・ミッション」と題し、『エクリプス・フェイズ』世界の入門、あるいはゲーム・ファンへ向けたSFガイドを目指した記事が連載されていました。Vol.107から109までは、「リプレイ」の新シリーズ「月の熾天使~マーズ・サイクラーの帰還~」が連載されていました。

 ただいま進行中の「宇宙の歩き方」では、『エクリプス・フェイズ』の世界設定をわかりやすく紹介するため、翻訳進行中のルールブックからゲームを知るために役立ちそうな箇所を抜粋、紹介しています。単にルールブックの記述に留まらず、各種サプリメント(追加設定資料集)などの情報を織り交ぜながら、最新の設定をスムーズに理解できるように書かれています。今回から読んでも大丈夫です。ご安心ください。

 『エクリプス・フェイズ』では、参加プレイヤーが担当するキャラクターは、人類をX-リスク(絶滅の危機)から救うための秘密結社である「ファイアウォール」の一員(センティネル)となることが奨励されています。「宇宙の歩き方」は、そうしたセンティネルが任務を遂行するために必要な情報を提供する記事としても活用いただけるよう、工夫がこらされています。
  
 ガイド役を担当するのは「Role&Roll」に掲載されたリプレイ「金星の人狼~Garou in the Venus~」および「月の熾天使~マーズ・サイクラーの帰還~」に登場したキャラクターたち。
 タイタンの探検家アルビンは、水中用義体「セルキー」で登場。シフトランナーの技術者イブンは、精神強化型合成義体「サヴァン」で登場。金星の空中都市アプロディーテ・プライムの交渉人ナーシャは太陽系辺境の政治体制のわかりづらさに困惑、スカムの用心棒イカナンに、知性化タコのキャプテン・ケーン、月のハイパー・エリートであるルクサーヌといったおなじみの面々が、随時、紹介コメントを加えていきます。
 世界観を理解する一助ともなれば、『エクリプス・フェイズ』小説を読む際にも大いに役立つことでしょう。

 「宇宙の歩き方」第1回では、太陽系の中心、地球圏および月が紹介されました。
 第2回にて紹介されるのは、太陽系近傍宙域、および水星。 
 第3回で紹介されるのは、壮麗な空中都市(エアロシュタット)が浮かぶ金星です。
 第4回は、テラフォーミングの進む新たなフロンティア、赤い砂漠の火星が紹介されました。
 第5回で紹介された、火星と木星の間に広がる小惑星帯です。
 第6回では、太陽系最大の惑星である木星共和国と、その特異な文化が解説されました。
 第7回では、数多の国家やパンドラ・ゲートを擁した土星圏が解説されました。
 第8回では、太陽系辺境宙域を解説していきます。

 「太陽系辺境へようこそ」という前振りに続き、「天王星」が説明されます。ギリシアの神ウラヌスの名を冠した天王星は、太陽から20天文単位の彼方、太陽系で最も寒冷とされています。奇妙なほどに、はっきりとした季節もあるのですよ。
 人類の前に初めて現れた最初の異星人、「代理人(ファクター)」についての図版付き解説もあります。

 天王星の二大衛星「ティタニア」、「オベロン」。とりわけオベロンには、パンドラ・ゲートであるフィッシャー・ゲートが存在します。その来歴も含めて、シナリオソースとなるでしょう。アルティメットの本拠地、「ザイフォス」の解説も。
 続く海王星は、太陽から30天文単位も離れていて、光合成も太陽光発電もできない。そこにもポストヒューマンの暮らす、ハビタットがあるのですが、果たしてどういう場所なのでしょうか。「マッシュルーム」、「ジェイクス」、「マホガニー」、「アフリーク」、「イルマリネン」といったハビタットが解説されています。
 また、カイパー・ベルトと、そこからオールト雲までの領域である産卵円盤(スキャッターズ・ディスク)の説明も。
 ここにも「エリス」という太陽系最大の準惑星が存在しています。

 「SF Prologue Wave」の『エクリプス・フェイズ』シェアードワールド・シリーズを読みとくためにも、大いに役立つことと思います。
 たとえば、浦浜圭一郎氏の小説「かけ替えなき命のゲーム」は、太陽系辺境を舞台にしています。

 「SF Prologue Wave」の小説を読んだら、ぜひ、実際に『エクリプス・フェイズ』世界に飛び込んでみましょう!
 きっと、あなたのクリエイティヴィティが、さらに刺激されること、間違いありません。


※本シナリオにおいては、ロールプレイングゲームそのものの基本的な考え方については説明がなされていません。お手数ですが各種入門書やWebサイト等をご覧のうえ、ご参照いただけましたら幸いです。
 「Role&Roll Station」では『エクリプス・フェイズ』体験会が開催されています。参加費用は無料、SF初心者の方もゲーム初心者の方も、イチから丁寧にレクチャーいたしますので、ぜひご参加ください。

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