「『エクリプス・フェイズ』の英語版アンソロジー小説が発売開始!」岡和田晃

『エクリプス・フェイズ』は日本語版ルールブックの発売が間近に迫っています。
それにあわせて、5月19日頃に発売予定のアナログゲーム専門情報書籍「Role&Roll」Vol.140では、特集記事が連載される予定です。
英語版で展開されている『エクリプス・フェイズ』シリーズについてこれまで紹介してきましたが、第6回以降は公式の冒険シナリオを紹介……と思っていましたけれども、その前に、2016年1月に電子版が発売されたばかりの『エクリプス・フェイズ』アンソロジー小説集(英語版)をご紹介いたしましょう。

タイトルは直球で After the Fall 。公式サイトのプレスリリースによりますと、古いタイプのSFも新しいタイプのSFも、その両方を取り入れた『エクリプス・フェイズ』のSF小説アンソロジー。
『紙の動物園』のケン・リュウ、『vN』のマデリン・アシュビーなど、邦訳があり日本でも人気を集めた作家たちが参加しているのにも注目です。

電子版はゲーム製品と同じくDrive Thru RPGで入手できます。ePub、PDF、Mobiに、それぞれ対応。
そのほか、

Amazon.com
iBook Store

 これらの電子書籍媒体でも入手可能、ということです。
もちろん、紙媒体でも刊行されるとのこと! 現時点で日本語版はありませんが、「SF Prologue Wave」の『エクリプス・フェイズ』小説に親しんできた方には、見逃せないニュースですね。

それでは以下、公式サイトの目次にある内容紹介を参考に、収録作をひとことずつ紹介していきます。

White Hempen Sleeves - ケン・リュウ(『紙の動物園』)
トランスヒューマンにとっての「タブー」を扱った作品。

Spiritus Ex Orcinus - ティファニー・トレント
知性化種の地球への帰還がテーマ。

Into the White - ジャック・グラハム
廃トンネルで起きた殺人事件をファイアウォールが調査。

The Thousandth Cycle - フラン・ワイルド
ハイパーコープ間の陰謀が扱われる。

Interference - ナサニエル・ディーン&デイヴィッドソン・コール
トランスヒューマンにとっての心理学的フロンティアがテーマ。

The Fukuda Cube - キム・メイ
“大破壊”で失われてしまった愛を求める小説。

Lack - ロブ・ボイル&デイヴィッドソン・コール
『エクリプス・フェイズ』基本ルールブックの巻頭小説。

Nostalgia - ジョージナ・カムシカ
『エクリプス・フェイズ』世界の異星人(エイリアン)に焦点が当てられる。

Nostrums - ジャック・グラハム
ヤクザや忘れられたカルトが入り乱れる、ある意味でお約束な作品。

Prix Fixe - アンドリュー・ペン・ロマイン
食のためならば何でもやる人がいる……。

An Infinite Horizon - スティーヴ・モーハム
サプリメント『ゲートクラッシング』の巻頭小説。

Stray Thoughts - ウェス・シュナイダー
自由意志、所有、合法性とは何かが問われる。

Melt - ロブ・ボイル&デヴィッドソン・コール
サプリメント『サンワード』の巻頭小説。

Thieving Magpie - マデリン・アシュビー(『vN』)
あらゆるものが、誰しもが、道具なのだ。使い方を心得ていれば……。

A Resleeving of Love - カリン・ロワチー
ある違法なミッションをめぐり、理想主義とシニシズムが衝突する。


『Eclipse Phase
After the Fall
The Anthology of Transhuman Survival & Horror (英語)』

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