「次女っ娘たちの空」木立嶺


「次女っ娘たちの空」
著 = 木立嶺
Illustration = しめ子
講談社BOX-AiRにて連載中。

著者コメント:
 この物語は、日本の家族構造に関する考察の中から生まれました。現在、講談社BOX-AiRにて第5話まで連載中です。
 今回は4話までの内容に基づき、主要登場人物をご紹介させていただきます。

 ~登場人物紹介~

◇ 桐岬透夜(きりさきとうや)
 本作の主人公を務める受難の男。続柄は長男。公立の進学校である星丘高校の新入生で、一年三組所属。入学式の帰りに、隣接する女子高の新入生である真夜中美朝と出逢い、次男と勘違いされた上に、所属校や性別を超越して次女っ娘クラブに入部させられた。
 それ以来、クラブではファミリーAの長男役として、哺乳瓶でミルクを飲まされたり膝枕されたり、消滅した世界を復活させたりして過ごしている。自分が本物の長男である事実を、美朝達に知られることを恐れている。

◇ 真夜中美朝(まよなかみあさ)
 本作のヒロイン。中部国際女子高、通称国女の新入生。続柄は次女。中学時代の成績は良好で、運動神経も優れている。高所恐怖症の類とは無縁で、特技の一つはフェンスの垂直滑り下り。
 中学三年の頃に次女っ娘クラブの構想を思いつき、国女に合格後、学校に設立を掛け合い承認をもらうなど、行動力とリーダーシップを併せ持つ。クラブの活動内容が書類と実際とで大幅に異なるため、常に周囲を警戒する一方で、偶然遭遇した桐岬を女子高に引き入れるなど、リスクに無頓着な一面もある。
 クラブではファミリーAの母親役を務める。長男という存在を蛇蝎のごとく嫌っているが、桐岬が本物の長男であることには気づいていない。

◇ 塚野真昼(つかのまひる)
 美朝と同じ国女の一年生で、続柄は次女。クラブではファミリーBの長男役を務める。高いところや空を飛ぶものが大好きで、紙飛行機、ボトルロケット、ボールにダーツに投げ縄と、手で飛ばせるものなら何でも狙った場所に命中させることができる。
 反面、低いところは苦手であり、床や地面にはいつくばると気絶してしまう。彼女にとって地下道、地下街、地下鉄は、ゴキブリの巣よりも冒涜的な世界である。
 将来の夢はパイロット、但し学力面が不安。桐岬に対していつも元気一杯、自信満々な態度で接する。

◇ 常西夕香(とこにしゆうか)
 国女一年生で続柄は次女。クラブではファミリーBの母親役を務める。美朝と同じ中学の出身であり、次女っ娘クラブの創設メンバーである。美朝とは同志であると同時にライバルの関係にある。
 おっとりした外見や性格を本人は中学時代から気にしていたが、その後自らに課した訓練が功を奏し、ある程度の克服に成功している。クラブの秘密が外部、特に長男に漏れた場合は、相手に消火器を噴射してその記憶を抹消する心構えを持っている。料理が得意でマヤ文字が大好き。桐岬には優しい態度で接する。

◇ 樋田小宵(ひだこよい)
 樋田家六十四代目の跡取り娘にして、全能神の卵。続柄は次女でクラブの一員だが、学校にも部室にも顔を見せない。職員室や生徒会の動向等を常にチェックし、危険を察知すると美朝達に警告する。
 自身に蓄積された先祖代々の遺伝記憶をデータマイニングすることで、あらゆることを認識、操作する力を持つ。半面、パターン認識を越えた思考ができず、破滅の運命から自らを救うために、桐岬に解決策の案出を依頼する。
 力を制御するため、化現瞑想という特殊な瞑想を毎日行っているが、失敗して世界の構造を変えてしまうことがある。クラブで唯一人、桐岬が長男であることを知っているが、美朝達には黙っている。

◇ 真夜中魅明(まよなかみあき)
 次女っ娘クラブの主敵。真夜中家の長女で美朝とは双子であり、家督を巡って争っている。星高の一年生で、当初は五組に在籍していたが、自ら桐岬のいる三組に転級した。
 最小の行動から最大の効果を引き出す技に長けており、また徹底したマキャベリストである。ある理由から、桐岬を社会的に破滅させようと企む。

 講談社電子雑誌BOX-AiR07号にて第5話「次女達の超魔空戦線」掲載中!
 http://www.bookclub.kodansha.co.jp/kodansha-box/boxair/

木立嶺プロフィール