文:待兼音二郎(『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム)、監修:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)、岡和田晃(『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム)
岡和田晃
「Role & Roll」(アークライト/新紀元社)は、会話型ロールプレイングゲーム(テーブルトークRPG、TRPG)や、ボードゲーム、カードゲーム等のアナログゲーム(電源を使わないゲーム)を扱う月刊総合情報書籍です(2003年創刊)。 毎号、プロとして活躍中のゲームデザイナーやライターにより、様々なゲームの紹介やサポートがなされています。「SF Prologue Wave」でも、「Role&Roll」掲載の『エクリプス・フェイズ』関連記事を、継続的に紹介して参りました。 「Role&Roll」にはこれまで、『エクリプス・フェイズ』のルールブックを購入したはいいが、どう遊べばよいかわからない方のために、すぐに遊べる入門用のシナリオが掲載されてきました。いずれも3時間程度の比較的短い時間で遊べる親切設計となっています。 コロナ・ウイルス禍で、オフラインでのRPGが遊びづらくなっていますが、もともと『エクリプス・フェイズ』はオンラインで遊びやすい設計となっておりますので、いずれのシナリオも容易にオンラインでプレイすることが可能です。 Vol.143~187掲載のシナリオも、すでにSF Prologue Waveで紹介済みですので、バックナンバーをご確認ください。Vol.179、Vol.188には追加データ・設定やシナリオソースがVol.189は具体的なシナリオ・デザイン指南、Vol.190にはゲームマスター・ガイドが載りました。Vol.191には、コロナ禍中、オンラインでも遊びやすいシナリオが掲載されています。 そしてVol.192は待望の本格多人数用アドベンチャーの新作です!
カーニバルを翌週に控えてお祭り気分に沸く金星軌道上のハビタット「フロストファイア」。そこに飛び込んできたテロ計画の情報。PCたちは悲劇を防ぐことができるのか!?
このシナリオは、なんとリオのカーニバルや――浦沢直樹の漫画『20世紀少年』にも登場する――岡本太郎の『太陽の塔』を彷彿とさせる現代彫刻がモチーフとなっています。お祭り騒ぎの狂騒のさなかで起こるテロ事件を未然に防ぐためめ、ファイアウォールのセンティネルが調査に乗り出すわけですが、調査のプロセスによって展開が分岐するため、複数卓で同じシナリオをプレイしてもまったく同じ展開にはなりづらく、場合によっては、繰り返しプレイをも楽しむことが可能です。 未訳サプリメント『X-Risks』から、新たな脅威の訳出もあり、これらを用いたシナリオを自前で考案してみるのも一興でしょう。
なお、先日のTRPGフェスオンラインで、『エクリプス・フェイズ』のサプリメント『サンワード』日本語版の発売予定がアナウンスされました(2021年明けめど)。
「SF Prologue Wave」の小説を読んだら、ぜひ、実際に『エクリプス・フェイズ』世界に飛び込んでみましょう! あなたのクリエイティヴィティが、さらに刺激されること、間違いありません。