『月刊アナログゲーム情報書籍「Role & Roll」Vol.194「『エクリプス・フェイズ』シナリオ かぐや姫の願い Go To 秋葉原」』

文:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)、監修:岡和田晃(『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム)、待兼音二郎(『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム)

 岡和田晃

 「Role & Roll」(アークライト/新紀元社)は、会話型ロールプレイングゲーム(テーブルトークRPG、TRPG)や、ボードゲーム、カードゲーム等のアナログゲーム(電源を使わないゲーム)を扱う月刊総合情報書籍です(2003年創刊)。
 毎号、プロとして活躍中のゲームデザイナーやライターにより、様々なゲームの紹介やサポートがなされています。「SF Prologue Wave」でも、「Role&Roll」掲載の『エクリプス・フェイズ』関連記事を、継続的に紹介して参りました。
 
 「Role&Roll」にはこれまで、『エクリプス・フェイズ』のルールブックを購入したはいいが、どう遊べばよいかわからない方のために、すぐに遊べる入門用のシナリオが掲載されてきました。いずれも3時間程度の比較的短い時間で遊べる親切設計となっています。
 コロナ・ウイルス禍で、オフラインでのRPGが遊びづらくなっていますが、もともと『エクリプス・フェイズ』はオンラインで遊びやすい設計となっておりますので、いずれのシナリオも容易にオンラインでプレイすることが可能です。
 Vol.179、Vol.188には追加データ・設定やシナリオソースがVol.189は具体的なシナリオ・デザイン指南、Vol.190にはゲームマスター・ガイド、Vol.193には簡易ルール付きソロアドベンチャーが載りました。Vol.191~192には、コロナ禍中、オンラインでも遊びやすい多人数シナリオが掲載されました。
 待望のサプリメント『サンワード』の刊行も予定されていますが、今回は『サンワード』でも詳しく解説される地球を舞台に、ちょっと一捻りした多人数用シナリオの登場です。

 Xリスクに関わる重要な情報の代償は「聖地巡礼」!? 令嬢を連れて訪れた、未来世界の地球における秋葉原はどうなっているの? 火星や金星の都市とはどう違うの? そして、その先で待ち構える衝撃の展開とは……。

 本作は「一見ギャグに見せかけたノワール・シナリオ」です。キャンペーン・ゲームの幕間に挿入できるミニ・シナリオの構造を持ちながら、「あるある」ネタの羅列に終わらず、思わず息を呑むような展開が待ち受けているのが特徴的です。
 フィリップ・K・ディックのジャンク趣味、クエンティン・タランティーノの映画、漫画『ブラック・ラグーン』あたりがお好きな方は、気に入ってもらえるかもしれません。アニメが好きなプレイヤー、ノワール・アクション好きなお方は、ぜひお試しあれ。
 未訳サプリメント『X-Risks』からの追加の敵データ翻訳もあるので、上記に当てはまらない方にもお愉しみいただけると思います。
 初心者からすれっからしまで、大歓迎。
 ……この懐の深さは『エクリプス・フェイズ』ならではです!

 「SF Prologue Wave」の小説を読んだら、ぜひ、実際に『エクリプス・フェイズ』世界に飛び込んでみましょう!
 あなたのクリエイティヴィティが、さらに刺激されること、間違いありません。