『月刊アナログゲーム情報書籍「Role & Roll」Vol.185「『エクリプス・フェイズ』シナリオ 闇のグラフィティ、あるいはゼロのスプラッシュ」』

文:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)、監修:岡和田晃(『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム)、待兼音二郎(『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム)

 岡和田晃

 「Role & Roll」(アークライト/新紀元社)は、会話型ロールプレイングゲーム(テーブルトークRPG、TRPG)や、ボードゲーム、カードゲーム等のアナログゲーム(電源を使わないゲーム)を扱う月刊総合情報書籍です(2003年創刊)。
 毎号、プロとして活躍中のゲームデザイナーやライターにより、様々なゲームの紹介やサポートがなされています。「SF Prologue Wave」でも、「Role&Roll」掲載の『エクリプス・フェイズ』関連記事を、継続的に紹介して参りました。

 「Role&Roll」にはこれまで、『エクリプス・フェイズ』のルールブックを購入したはいいが、どう遊べばよいかわからない方のために入門用のシナリオが掲載されてきました。
 いずれも3時間程度の比較的短い時間で遊べる親切設計となっています。Vol.143~184掲載のシナリオも、すでにSF Prologue Waveで紹介済みですので、バックナンバーをご確認ください。Vol.179はシナリオ作成のヒントとしての追加データが掲載されています。

 今号の「Role&Roll」Vol.185に掲載されているのは、「闇のグラフィティ、あるいはゼロのスプラッシュ」というシナリオです。

 月のドーム都市の地下にテロリストが潜入した! 急ぎ招集されたメンバーは、エクスサージェント・ウイルスで怪物化した市民を処分するが、それは始まりにすぎなかった。いったい感染源は?

 今回のシナリオは、「Role&Roll」Vol.183に掲載されたシナリオ「光のコーデックス、あるいはGLC」と同様、カードが付録になっています。これらをコピーして厚紙に貼り、TCGサイズのカードスリーブに入れていただければ、セッションに興趣を添えるゲーム・マテリアルが誕生するわけです。
 「光のコーデックス」では、カードはPCのために用いるもので、いま爆発的に流行しているマーダー・ミステリーの要素が取り入れられていました。
 今回の「闇のグラフィティ」は逆で、カードはGM側が使用します。ランダムで起きるイベントが何かを示すために、カードが用いられるわけですね。
 起きるイベントは、バンクシーなどのグラフィティ・アートをモチーフにしています。グラフィティ・アートとは、スプレーなどを用いて高架下や廃屋の壁などにされた落書きのことを意味します。それがSFとしてアレンジされ、シナリオの重要なフックになっているわけですね。実際にどのようなイベントが起きるのかは、ぜひセッションで体感なさってみてください。

 「SF Prologue Wave」の小説を読んだら、ぜひ、実際に『エクリプス・フェイズ』世界に飛び込んでみましょう!
 あなたのクリエイティヴィティが、さらに刺激されること、間違いありません。

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