『月刊アナログゲーム情報書籍「Role & Roll」Vol.184「『エクリプス・フェイズ』シナリオ 外惑星圏調査船パンドラ号の災難」』

文:待兼音二郎(『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム)、監修:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)、岡和田晃(『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム)

 岡和田晃

 「Role & Roll」(アークライト/新紀元社)は、会話型ロールプレイングゲーム(テーブルトークRPG、TRPG)や、ボードゲーム、カードゲーム等のアナログゲーム(電源を使わないゲーム)を扱う月刊総合情報書籍です(2003年創刊)。
 毎号、プロとして活躍中のゲームデザイナーやライターにより、様々なゲームの紹介やサポートがなされています。「SF Prologue Wave」でも、「Role&Roll」掲載の『エクリプス・フェイズ』関連記事を、継続的に紹介して参りました。

 「Role&Roll」にはこれまで、『エクリプス・フェイズ』のルールブックを購入したはいいが、どう遊べばよいかわからない方のために入門用のシナリオが掲載されてきました。
 いずれも3時間程度の比較的短い時間で遊べる親切設計となっています。Vol.143~183掲載のシナリオも、すでにSF Prologue Waveで紹介済みですので、バックナンバーをご確認ください。Vol.179はシナリオ作成のヒントとしての追加データが掲載されています。

 今号の「Role&Roll」Vol.184に掲載されているのは、「外惑星圏調査船パンドラ号の災難」というシナリオです。

 君たちが乗り込んでいた調査船パンドラ号で原因不明の事故が起きた。船内で分断されたセンティネルたちは、障害によってメッセージのやり取りもままならない中で、宇宙船のシステム停止を食い止めねばならない。

 今回のシナリオは、ファイアウォールの依頼が発端になる典型的な『エクリプス・フェイズ』の導入とは異なり、乗船中に事故が発生する巻き込まれ型のシナリオです。キャンペーンに挟まない形でプレイできますし、ファイアウォールに所属しないPCたちで遊ぶことも可能です。
 イメージ・ソースは筒井康隆『残像に口紅を』に、円城塔「Φ(ファイ)」。シナリオ内では宇宙船にメッシュの通信障害が起きており、使える文字数や仮名の数が、少しずつ減っていきます。徐々に制約が強まる状況で、故障の原因を突き止め、船員たちを探し、パンドラ号の機能を恢復させなければなりません! 極限状態におけるスリル満点のシナリオをお楽しみください。

 「SF Prologue Wave」の小説を読んだら、ぜひ、実際に『エクリプス・フェイズ』世界に飛び込んでみましょう!
 あなたのクリエイティヴィティが、さらに刺激されること、間違いありません。

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