文:待兼音二郎(『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム)、監修:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)、岡和田晃(『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム)
岡和田晃
「Role & Roll」(アークライト/新紀元社)は、会話型ロールプレイングゲーム(テーブルトークRPG、TRPG)や、ボードゲーム、カードゲーム等のアナログゲーム(電源を使わないゲーム)を扱う月刊総合情報書籍です(2003年創刊)。
毎号、プロとして活躍中のゲームデザイナーやライターにより、様々なゲームの紹介やサポートがなされています。「SF Prologue Wave」でも、「Role&Roll」掲載の『エクリプス・フェイズ』関連記事を、継続的に紹介して参りました。
「Role&Roll」にはこれまで、『エクリプス・フェイズ』のルールブックを購入したはいいが、どう遊べばよいかわからない方のために入門用のシナリオが掲載されてきました。
いずれも3時間程度の比較的短い時間で遊べる親切設計となっています。Vol.143~178掲載のシナリオも、すでにSF Prologue Waveで紹介済みですので、バックナンバーをご確認ください。Vol.179はシナリオ作成のヒントとしての追加データが掲載されています。
今号の「Role&Roll」Vol.180に掲載されているのは、「スペース人形浄瑠璃怪談――阿古屋の琴責」です。
太陽系を震撼させた唇人形サユリが帰ってきた! ヒルのような唇で呪言をかけた相手を狂死させるという文楽人形だ。リバイバル公演された人形浄瑠璃『壇浦兜軍記』の遊女・阿古屋の人形が唇人形サユリの正体ではないかという嫌疑がかかり、ファイアウォールのセンティネルたちは真相解明に乗り出す。
『エクリプス・フェイズ』もその系譜に連なるサイバーパンクの伝統には、ブルース・スターリング「江戸の花」や「招き猫」等に典型ですが、わかりやすいジャパネスク趣味が存在しています。今回のシナリオは、まさにその路線で、なんとSF世界における文楽(人形浄瑠璃)のリバイバルを扱っています。
必要な情報はシナリオ内に書き込まれているので文楽についての予備知識は不要ですが(製作では、この「予備知識がなくても遊べる」点にこだわりました)、それでも古典芸能に抵抗感がある人のために、Jホラーや都市伝説、実話怪談のようなノリで楽しめるように工夫されています。『エクリプス・フェイズ』の世界観を壊さないようディベロップメントにも手間暇をかけておりますので、どうぞ安心してご使用ください。
発売中の「Role&Roll」Vol.180に、『エクリプス・フェイズ』の入門シナリオ「スペース人形浄瑠璃怪談??阿古屋の琴責(ことぜめ)」が掲載されています。さあ、ポストヒューマン社会での文楽はどうなっているのか、その恐怖を体感しましょう! サイパーパンクならではのジャパネスク路線の作品です。 pic.twitter.com/KqXsSkJsnx
— 岡和田晃_新刊「ナイトランド・クォータリー」Vol.18 (@orionaveugle) 2019年9月18日
R&R掲載のエクリプス・フェイズのシナリオ、「スペース人形浄瑠璃怪談 阿古屋の琴責」というタイトルだけでもうやりたくなっちゃうやつだった……馬鹿だなあ……大好き……
— 豚田永年脂財法 (@trappybunny) 2019年9月29日
スペース人形浄瑠璃怪談、あと2本くらい続けて三部作にしてほしい……(スペース人形浄瑠璃怪談って言いたいだけ
— 豚田永年脂財法 (@trappybunny) 2019年9月29日
まだスペース人形浄瑠璃怪談のこと考えてるんだけど、あれ本当に素晴らしいと思うんだよな。私は「システムの世界観を大事にしつつ、その世界観から外れないままに、PCたちはシリアスに&PLたちは大笑い」みたいなシナリオが大好きなんだ……世界観を自分なりに大事にしているシナリオはいい……
— 豚田永年脂財法 (@trappybunny) 2019年9月30日
「SF Prologue Wave」の小説を読んだら、ぜひ、実際に『エクリプス・フェイズ』世界に飛び込んでみましょう!
あなたのクリエイティヴィティが、さらに刺激されること、間違いありません。