文:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)、監修:岡和田晃(『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム)、待兼音二郎(『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム)
岡和田晃
「Role & Roll」(アークライト/新紀元社)は、会話型ロールプレイングゲーム(テーブルトークRPG、TRPG)や、ボードゲーム、カードゲーム等のアナログゲーム(電源を使わないゲーム)を扱う月刊総合情報書籍です(2003年創刊)。
毎号、プロとして活躍中のゲームデザイナーやライターにより、様々なゲームの紹介やサポートがなされています。「SF Prologue Wave」でも、「Role&Roll」掲載の『エクリプス・フェイズ』関連記事を、継続的に紹介して参りました。
「Role&Roll」にはこれまで、『エクリプス・フェイズ』のルールブックを購入したはいいが、どう遊べばよいかわからない方のために入門用のシナリオが掲載されてきました。
いずれも3時間程度の比較的短い時間で遊べる親切設計となっています。Vol.143~159掲載のシナリオも、すでにSF Prologue Waveで紹介済みですので、ご確認ください。
Vol.160には、「スペース闇金道――情報難民をさいなむドラッグ」が掲載されています。難民の出自ゆえに差別される情報体(インフォモーフ)にも金を貸す悪徳ヤミ金との関わりを通じ、『エクリプス・フェイズ』宇宙における経済制度とハッキングのルールを学べるようにデザインされています。細部がよく練られて、とっつきやすい作品です。
イメージ・ソースは宮内悠介『スペース金融道』。また、ヤミ金については、漫画『ヤミ金ウシジマくん』が参考資料として使われています。
そして、Vol.161に掲載された「宇宙要塞『神龍(シェンロン)』の悪夢」は、地球軌道上における(『エクリプス・フェイズ』世界の)中国軍の軌道要塞を探索する、という内容です。もともとはリゾート・ハビタットであった「フライトラップ」は、“大破壊(ザ・フォール)”で壊滅。その後は放置され老朽化し、かつての住民はほとんど残っていません。そのため、失われた地球のジャングルと呼ぶべき状態になっています。
このフライトラップの設定や表題にある宇宙要塞「神龍(シェンロン)」は、漫画『ドラゴンボール』とは関係なく(笑)、未訳サプリメント『Sunward』に含まれた公式情報です。また、敵のデータも未訳サプリメント『X-Risks』からの引用です。抄訳もあるので、ミニデータ集として活用もできると思います。
こんなところにデザイナーのアイデア・メモが!
エクリプス・フェイズの地球軌道シナリオを考えながら、「宇宙要塞神龍の危機」とか「密林ハビタットの王者ターザン」とか脳裏に浮かぶのは、高千穂遙先生とバローズ先生の呪縛かもしれない。後は今朝のワニの夢か。
— 朱鷺田祐介 (@TokitaSuzakuG) 2018年1月15日
なお、「スペース闇金道」は、『スペース金融道』の著者の手にわたった模様です。
『Role&Roll』誌の献本をいただきました。エクリプス・フェイズの入門シナリオ、「スペース闇金道」なるものがあるため。これ、読んでみたかったので嬉しい。 pic.twitter.com/7n1AQCFWLJ
— 宮内悠介 (@chocolatechnica) 2018年2月23日
「SF Prologue Wave」の小説を読んだら、ぜひ、実際に『エクリプス・フェイズ』世界に飛び込んでみましょう!
あなたのクリエイティヴィティが、さらに刺激されること、間違いありません。