岡和田晃
去る2016年6月30日、『エクリプス・フェイズ』の日本語版ルールブックが新紀元社より発売されました。
Twitter上にはたくさんの入手報告があがっていますが、皆さまは、すでに確保されましたでしょうか。全国の書店、ゲームショップ、各種オンライン書店でも入手が可能です。
「SF Prologue Wave」編集部宛ての見本誌を受け取った、片理誠編集長の喜びの声をご覧ください。
霧雨を照らす銀色の朝日影のその向こうから、その本は奇跡のように立ち現れた! 王とともに復活する、円卓の騎士のように!
――『エクリプス・フェイズ(日本語版)』株式会社アークライト様より、SF Prologue Wave編集部宛に、ご恵贈いただきました°˖✧◝(╹▿╹)◜✧˖°!— 片理誠 (@henri_makoto) 2016年6月23日
『エクリプス・フェイズ(日本語版)』 !!
キタ――(゚∀゚)━(∀゚ )━(゚ )━( )━( )━( ゚)━( ゚∀)━(゚∀゚)/――ッ!
キャッホ~⁽⁽٩(๑˃̶͈̀ ᗨ ˂̶͈́)۶⁾⁾~イ! 俺は待ってたぜーーー♪— 片理誠 (@henri_makoto) 2016年6月23日
徹夜明けでヘロヘロなせいで、まだちゃんと読めていないのですが(汗)、105ページにはSF Prologue Waveや、私の名前が! 皆さまの名前も! ……いやぁ、感無量、であります(ゞ‿∠。) 頑張った甲斐がありましたね>皆さま! とうとう形になりましたよ!
— 片理誠 (@henri_makoto) 2016年6月23日
それにしても、凄い豪華な作りです! しかも凄いボリューム! アメリカ人のすることは、本当に半端ないな……。マニアの権化みたいな本です(笑)。しかもこれで全部じゃなくて、まだまだ他にもサプリメント(追加設定資料集)が沢山あるという……恐るべしッΣ(゚Д゚ノ)ノ
— 片理誠 (@henri_makoto) 2016年6月23日
この量を、よく全部、日本語にできましたよねぇ(汗)。まさしく労作です。ありがとうございます! 大切に読ませていただきまする<(_ _)>
— 片理誠 (@henri_makoto) 2016年6月23日
エンタメ系SFのエッセンスてんこ盛り! というか、全部入り! そんな感じの本です『エクリプス・フェイズ(日本語版)』。基本的にはTRPGを楽しむためのルールブックですが、SFとしての設定の部分を読んでいるだけでも面白すぎるくらいです! イラストもふんだんで、目でも楽しめる本です!
— 片理誠 (@henri_makoto) 2016年6月23日
ここで言い尽くされている気がしないでもありませんが(笑)、A4フルカラー400ページに辞書大の文字がギッシリと詰まっています。イメージとしては、並の文庫本の10倍くらいの情報量があるものとお考えください。
そして重量は1.4kgもあり、これまで日本で出版されたRPGのルールブックで、もっとも分厚いものの一つではないかなと思います。
【tricken氏の提供】
ルールブックの翻訳は岡和田晃、待兼音二郎氏ほか『エクリプス・フェイズ』翻訳チームが担当。
監修は「SF Prologue Wave」の『エクリプス・フェイズ』小説でお馴染み、朱鷺田祐介氏。
P.105には、これまで「SF Prologue Wave」で発表された『エクリプス・フェイズ』小説の総覧があります。
分厚いルールブックのどこから読めばよいかわからない方のために、発売中のアナログゲーム専門情報書籍「Role&Roll」Vol.142では、ルールブックの読み方が詳しく解説されていますので、ぜひご活用ください。
これまでの「Role&Roll」でのサポートについては、「SF Prologue Wave」での『エクリプス・フェイズ』情報が概要紹介として有用と思います。
それでは、ルールブックの構成を紹介していきましょう。
『エクリプス・フェイズ』のルールブックは、12章構成からなっています。
・1章:欠落
『エクリプス・フェイズ』の世界を紹介する導入小説。典型的な冒険のパターンとして、シナリオのネタにするのも一興でしょう。英語版アンソロジー小説集『After the Fall』にも再録されました。
・2章:特異点への突入
そもそもロールプレイング・ゲームとは何かという解説と、『エクリプス・フェイズ』の基本的な用語集が紹介されています。困ったらこの用語集に戻りましょう。
・3章:『エクリプス・フェイズ』の時代と社会背景
世界観や背景情報がここに網羅されています。トランスヒューマン社会の仕組み、“大破壊(ザ・フォール)”の惨劇、そして太陽系図に星系やハビタットの詳細な紹介などが盛りだくさん。設定好きの方は、没頭できること請け合いです。
・4章:ゲーム・システム
すでにロールプレイング・ゲームに慣れている方は、ここから読んでみるとよいでしょう。基本的な判定方法が明記されています。人気の『クトゥルフ神話TRPG』などと共通する部分があれば、『エクリプス・フェイズ』ならではの独特の判定ルールもあり。
・5章:キャラクターの作成と成長
オリジナルのキャラクターを作るためには、この章を読む必要があります。特筆すべきは、作成済みのサンプルキャラクター16体が収録されていること。ゲームに慣れないうちは、また時間がない場合も、このサンプルキャラクターを使用するとラクチンです。
・6章:技能
『エクリプス・フェイズ』は10面体ダイス2個を用いてダイス・ロールで%を算出する技能制のシステム。ここでは、ゲーム内に使用する技能の種別と内容が詳しく解説されています。
・7章:アクションと戦闘
RPGの華は、やはり戦闘。『エクリプス・フェイズ』では戦闘がないシナリオも珍しくありませんが、戦闘をすると盛り上がることの多いのも事実。血湧き肉躍る戦闘のルールが解説されています。キャラクターのアクションを細かく描写する場合なども、この章を押さえておく必要がありますね。
・8章:マインド・ハック
ファンタジーRPGには魔法のルールがありますけど、『エクリプス・フェイズ』には超能力(Psi)があります。超能力者(エイシンク)が用いるPsi異能(Psi-Chi、Psi-Gammaの二種類)のリストと、具体的な効果が明記されています。
・9章:メッシュ
『エクリプス・フェイズ』世界の大規模インターネットシステム、メッシュの仕組みを解説しています。仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、情報体(インフォモーフ)の情報も。ハッキングのルールはこの章にありますので、ハッカー系のキャラクターを遊んでみたい人たちは必読の章。
・10章:加速する未来
再着装、分岐体(フォーク)作成、エゴキャスト、ナノ製造、Rep(評判)値とソーシャル・ネットワーク等、最先端の科学技術を扱うルールや設定はこの章にまとめられています。
・11章:装備
ゲームに登場する装備の入手方法、価格、具体的な物品のリストが完備されています。インプラントもこちら。武器や防具だけではなく、バイオウェアやナノウェア、通信機器、ドラッグから宇宙船に至るまで、圧倒的な情報量でお届けいたします
・12章:ゲーム・インフォメーション
ネタバレ警告あり。ゲームマスター用の情報が集められています。秘密組織ファイアウォールについて、異星人について、パンドラ・ゲートについて、そしてティターンズ……。敵のデータなんかもこの章にあります。
・巻末資料:チャート集、参考文献一覧、索引など。SFファンは、P.388の参考文献からチェックするのも一興でしょう。
最後になりましたが、「SF Prologue Wave」の『エクリプス・フェイズ』情報にてご紹介した英語版アンソロジーより、収録短編の日本語訳・出版が決定しました。
2016年8月末予定の「ナイトランド・クォータリー」誌に、今年のSF大会での星雲賞受賞者であり、『SFが読みたい! 2016年版』海外編で1位を獲得したケン・リュウの手になる『エクリプス・フェイズ』小説「White Hempen Sleeves」が翻訳掲載される予定です。翻訳は待兼音二郎氏、監修と解説は岡和田晃が担当する予定です。
詳しくは「ナイトランド・クォータリー」のFacebookページをご参照ください。