「『エクリプス・フェイズ』シリーズ、関連製品(英語版)の紹介(その5)」岡和田晃

 『エクリプス・フェイズ』は日本語版ルールブックの発売が予定されており、アナログゲーム専門情報書籍「Role&Roll」でサポート記事が連載されており、これらの情報は、「SF Prologue Wave」でも「Eclipse Phase情報」という枠でご紹介してきました。
 今回の記事では、英語版で展開されている『エクリプス・フェイズ』シリーズについて、簡単に紹介していきます。「SF Prologue Wave」での『エクリプス・フェイズ』小説を読むためにも、こうした製品についての情報は知っておいて損はないでしょう。
 いずれも2016年3月現在では未訳ですが、現物を書泉グランデ等の輸入RPGを扱っているゲームショップ、電子版をDrive Thru RPG等のオンラインストアで入手することができます。
 この 第5回では、基本ルールブックを補完するサプリメント(追加設定資料集)2製品を説明していきます。1つは20ページ程度の短いソースブック。もう1つは、シナリオ付きのゲームマスター・スクリーンとなります。スクリーンの方はHACK PACK(高解像度電子データ入りのヴァージョン)も購入することが可能です。

●『ゾーン・ストーカーズ』
 Zone Stalkers

 2014年発売。実は、『エクリプス・フェイズ』世界の火星には――ストルガツキー兄弟『ストーカー』を彷彿させる――「ゾーン」が存在しています。この「ゾーン」はティターンズの狂った殺戮機械が跳梁跋扈する危険地帯で、探索には多大なリスクが伴います。本サプリメントには、「ゾーン」への侵入方法、ゾーン内での移動について、火星のレンジャー部局、敵として登場するティターンズの兵器やランダム遭遇表、さらにはティターンズの遺産、ファイアウォールや他のグループが「ゾーン」をどのように捉えているかといった情報、シナリオソースまでもが明記されています。『エクリプス・フェイズ』でワイルダネス・アドベンチャー(野外での冒険)を展開したいと思うゲームマスターにとって、必見のサプリメントだといえるでしょう。

●『ゲームマスター・パック』
 Eclipse Phase Gamemaster Pack

 2010年発売。『エクリプス・フェイズ』のゲームマスター・スクリーンに、シナリオ「Glory」(本連載では、別の回に解説予定)が同梱されたセットとなります。スクリーンとは、ゲーム・セッションを盛り上げるためゲームマスターがプレイヤーからシナリオ内容やダイスロール等を隠す際に使用するついたてのことを意味しています。作品タイトルごとに、様々な種類のスクリーンが販売されていますが、『エクリプス・フェイズ』謹製のものもあるのですね。綺麗にコーディング印刷された頑丈な仕上がりで、横開きの4面構成。表側は戦闘時を表現したアートワークで、導入すると場の雰囲気が『エクリプス・フェイズ』なカラーに変わります。裏側にはRepのチャートなどが記載されており、マスタリングの際に大変重宝します。なお、本サプリメントは2011年のエニー賞「ベスト・ゲームエイド/アクセサリー」部門にノミネートしました。

岡和田晃プロフィール