『エクリプス・フェイズ』は日本語版ルールブックの発売が予定されており、アナログゲーム専門情報書籍「Role&Roll」でサポート記事が連載されています。これらの情報は、「SF Prologue Wave」でも「Eclipse Phase情報」という枠でご紹介してきました。
今回の記事では、英語版で展開されている『エクリプス・フェイズ』シリーズについて、簡単に紹介していきます。「SF Prologue Wave」での『エクリプス・フェイズ』小説を読むためにも、こうした製品についての情報は知っておいて損はないでしょう。
いずれも2016年1月現在では未訳ですが、書籍版をネット書店(Amazon.co.jpなど)や輸入ゲームを扱っているショップ(神保町の書泉グランデ等)で、電子版をDrive Thru RPG等のオンラインストアで入手することができます。なお電子版ではルールブック等の小説やサンプル・キャラクターが別売りされていたり、HACK PACKという高解像度の画像データが封入されているヴァージョンもゲットしたりすることができます。
この第3回では、基本ルールブックを補完するサプリメント(追加設定資料集)3製品を説明していきます。いずれもハードカバー、PDF版、両方での入手が可能です。
●『トランスヒューマン』
Transhuman
『トランスヒューマン』は、キックスターターによるクラウドファンディングを成功させることで出版されたサプリメントで、『サンワード』から『リムワード』までとは、少々異なるコンセプトで書かれています。とりわけ、キャラクター作成のやり方がパッケージ化され、よりスピーディで多様なデザインができるようになりました。またフレックスボット、スウォームノイド、インフォモーフへの追加ルールやオプションも搭載されます。ファイアウォールのエージェントとしての戦術や諜報の情報もあり。また、30を超える新しい義体、特徴、背景と、データ面も充実しています。『トランスヒューマン』は、2014年のオリジンズ賞「ベスト・RPGサプリメント」部門にノミネートされました。
●『モーフ・レコグニション・ガイド』
Morph Recognition Guide
『モーフ・レコグニション・ガイド』は『トランスヒューマン』の系譜に連なる、キャラクターのデザインに焦点を当てたサプリメントです。基本ルールブック、『サンワード』、『ゲートクラッシング』、『パノプティコン』、『リムワード』、そして『トランスヒューマン』に登場した義体が、それぞれについて丸々1ページを割く形で、美麗なイラスト付きで紹介されています。面白いのは、義体と一般的な人間のサイズ比較対照図が添えられていること。義体についてのバリアント・ルールも実装されています。
●『ファイアウォール』
Firewall
『エクリプス・フェイズ』の基本ルールブックやサプリメントで、折にふれてファイアウォールの情報が小出しにされてきましたが、それでも謎に包まれた組織という印象は、拭えないものがありました――本書が出版されるまでは!
ファイアウォールとはどのような組織で、いかなる歴史があるのか、また遂行中の任務の解説、ファイアウォール内の著名人に派閥の種類。アルゴノーツや木星共和国、タイタンやアルティメットといった対立組織の解説もあり。追加の特徴、装備、そして16体のサンプル・キャラクターが追加されています。現時点で、ハードカバーで刊行された最新のサプリメントです。