「光を忘れた星で」八杉将司

「光を忘れた星で」
著者 八杉将司
講談社BOX
2011/01/05発売 定価(税込):1,575円
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=283765X

著者コメント:
 文字だけの小説だったら視覚のない世界を描けるよねという思いつきが執筆のきっかけでした。もちろん人類が失明したという話は小説でも映画でもたくさんありますけど、この小説の世界ではもとより人類が生まれつき視覚を持っていません。とうの昔にそんなものはなくしてしまって、だから視覚を失ったからといって右往左往することもなく、また嘆いたりもせず、そんなものなどなくともなんとも思ってなく、普通に生活をし、文化を築き上げています。まあ、H・G・ウェルズの「盲人の国」もそんな世界の話ですが。ただ、語り手をその世界の住人にしたことで、当人にとっては視覚が何か想像もつかないわけで、文章にしても視覚に関係するものがあってはいけない……ということでこんなことに。
 ぼくたちが「見」ているものは何なのか。読みながら奇妙な気分になってもらえたら、書き手としてうれしいです。

八杉将司プロフィール


八杉将司既刊
『光を忘れた星で』