北海道新聞連載「現代北海道文学論 『北の想像力』の可能性」岡和田晃


〈北海道の上富良野町で開催されている「現代北海道文学論」と『北の想像力』をフィーチャーした作品展〉

 以前、SF Prologue Waveでも、空前絶後の大著『北の想像力 〈北海道文学〉と〈北海道SF〉をめぐる思索の旅』(寿郎社)についてご紹介させていただきました。
 幸いなことに、『北の想像力』は第35回日本SF大賞の最終候補、『SFが読みたい! 2015年版』の「ベストSF2014」国内編第8位、さらには第46回星雲賞の参考候補作になるなど、高くご評価をいただいて参りました。
 そこで、『北の想像力』のコンセプトを引き継いだ連載を、同書の執筆チームを中心に、適宜、ゲストを交えつつ、「北海道新聞」紙上で展開していくというのが、この「現代北海道文学論 『北の想像力』の可能性」となります。

 第1回は、岡和田晃が4月21日の「北海道新聞」夕刊に「『北方論』から惑星思考へ」を総論として寄稿いたしました。中野美代子の『北方論』の現代的意義から、ガヤトリ・スピヴァクや巽孝之の理論に基づく「惑星思考」という「他者」の探求を訴えかけ、また北海道文学から世界文学への転換点として、荒巻義雄『白き日旅立てば不死』等を紹介しました。

 第2回は、渡邊利道が5月21日の「北海道新聞」夕刊に「円城塔――事実と虚構を往還」を寄稿する予定です。円城塔が「文學界」に連載した異色の「私小説」である『プロローグ』の射程を、「北海道」という切り口から論じ、「SFマガジン」連載の『エピローグ』との繋がりを示唆し、メタフィクションをめぐる想像力のあり方について考察します。

 以後も、SFともリンクしたアクチュアルな連載になっていく予定ですので、どうぞご期待をいただけましたら幸いです。

参考:
『北の想像力』ポータル インデックス

Facebook寿郎社ページ 「現代北海道文学論」紹介

「「荒巻義雄の世界」展 実行委員会」での「現代北海道論」紹介

岡和田晃プロフィール


岡和田晃既刊
『北の想像力
《北海道文学》と《北海道SF》をめぐる思索の旅』