「『妖怪探偵・百目』(1) 朱塗の街」上田早夕里

書名:『妖怪探偵・百目』(1) 朱塗の街
作者名:上田早夕里
出版社:光文社(光文社文庫)
出版日:2014年7月10日
ISBNコード:978-4-334-76767-9
定価:600円(税別) ※電子版も同時期発売。

 2008年に、異形コレクション・第40巻『未来妖怪』に掲載された「真朱の街」は、後にシリーズ化されて、「小説宝石」誌上で不定期連載が続いておりました。このたび、2014年度掲載分までが一冊にまとまり、文庫による刊行がスタートしました。全3巻で完結の予定です。

 タイトルに “探偵” とありますが、推理小説(ミステリ作品)ではありません。妖怪ファンタジー小説です。百目は「目の妖怪」なので、”private eye” に引っかけて「探偵」としたのです。ただの洒落です。(※「真朱の街」のときには〈探し屋〉と称していました)

 初期のエピソードは、異形コレクション掲載時のお題だった “未来” という要素を踏襲していますが、連載が進むに従って、より自由なファンタジー小説に変遷しています。著者が、ファンタジー色を前面に出したエンターテインメント作品を書くのは、このシリーズが初めてです。

 6年越しで続けている気の長いシリーズですが、よろしくお願い致します。

上田早夕里プロフィール


上田早夕里既刊
『妖怪探偵・百目 1:
朱塗の街』