「月刊アナログゲーム情報誌「Role & Roll」Vol.102掲載「『エクリプス・フェイズ』エントリー・ミッション07 大人のロジック」

文:朱鷺田祐介 協力:『エクリプス・フェイズ』翻訳チーム

 岡和田晃

 「Role & Roll」(アークライト/新紀元社)は、会話型ロールプレイングゲーム(TRPG)やボードゲームの記事を中心に扱ったアナログゲーム(電源を使わないゲーム)の月刊情報誌です。毎号さまざまなタイトルが紹介&サポートされていますが、今回紹介する「Role & Roll」Vol.102には『エクリプス・フェイズ』の「エントリー・ミッション」第7回、『大人のロジック』が掲載されています。

 「エントリー・ミッション」とは、『エクリプス・フェイズ』世界の入門、あるいはゲーム・ファンへ向けたSF入門を目指した記事です。有名なSF小説やSF映画を題材にすぐに遊べる『エクリプス・フェイズ』の短篇シナリオを掲載していきます。特別付録として、ルールブックやサプリメント(追加設定資料集)から、サンプル・キャラクターを抜粋して翻訳・紹介しています。

 今回の「エントリー・ミッション」は、おなじみ『攻殻機動隊』へのオマージュです。言わずと知れた士郎正宗のコミックや、Production I.Gが製作した劇場用アニメ映画またはテレビアニメ・シリーズで有名な和製サイバーパンクSFの代表作ですが、その『攻殻機動隊』の主要な映像作品は、『エクリプス・フェイズ』の参考文献リストにも当然、網羅されています。
 ただ、ひとえに『攻殻機動隊』といっても、さまざまな切り口が考えられます。そこで今回のシナリオ「大人のロジック」においては、『攻殻機動隊』の「笑い男」事件で扱われる電脳ハッキングに焦点をあてた内容となっています。『エクリプス・フェイズ』のハッキング関係のルールについて、ルールブック発売に先駆けて紹介するものともなっています。

 今回のシナリオ「大人のロジック」は、金星の空中都市(エアロスタット)「アフロディーテ・プライム」の女性広報官ジャニス・ターナーが、人類に危機をもたらす陰謀に加担しているかもしれないという情報がファイアウォールに届き、ファイアウォールのエージェント(センティネル)であるプレイヤー・キャラクターたちが、その実態を調査するという内容です。
 『エクリプス・フェイズ』では、ファイアウォールからの依頼を受けて絶滅リスク(X-リスク)を回避させるというパターンが、とりわけ入門用シナリオの定型として推奨されています。このシナリオ「大人のロジック」では、こうした定型を踏襲したうえで、どれだけ深みのある展開を見せられるか、ミステリにも似た捻りが加えられています。
 また、サンプル・キャラクターであるナノサイズの群体義体(スウォームノイド)「犯罪者のハッカー」が、どのようにシナリオに関わってくるのかも見どころです。余談ですが、群体をプレイできるというのは『エクリプス・フェイズ』ならではの特徴だと思います。現に、定期開催されている『エクリプス・フェイズ』体験会では、「犯罪者のハッカー」はかなりの人気を誇っています。

 「SF Prologue Wave」の小説を読んだら、ぜひ、実際に『エクリプス・フェイズ』世界に飛び込んでみましょう。きっと、あなたのクリエイティヴィティが、さらに刺激されること請け合いです。


※本シナリオにおいては、ロールプレイングゲームそのものの基本的な考え方については説明がなされていません。お手数ですが各種入門書やWebサイト等をご覧のうえ、ご参照いただけましたら幸いです。
 「Role&Roll Station」では『エクリプス・フェイズ』体験会が開催されています。参加費用は無料、SF初心者の方もゲーム初心者の方も、イチから丁寧にレクチャーいたしますので、ぜひご参加ください。

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